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アジア各国の現場から学ぶ――中小企業診断士による海外視察の記録2026.01.07

2025年:タイで見た日系企業と伝統文化

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プロローグ:チェンマイとバンコクを巡る4日間

異業種交流会の海外視察ツアー、今回の舞台はタイです。中小企業診断士、企業内診断士、大学教員、そして学生を含む約20名のメンバーが集合しました。


今回のツアーは4日間の充実したプログラムです。前半の2日間はチェンマイで文化体験、後半の2日間はバンコクで企業視察という構成です。


チェンマイでタイの伝統文化を体験した後、バンコクで日系企業の現地展開を学ぶ。文化とビジネスの両面から、タイという国を深く理解する旅の始まりです。


第一日:チェンマイで文化を体験する

午前7時25分発のタイ航空TG102便でチェンマイに向かいます。約1時間のフライトで、バンコクの喧騒から離れ、タイ北部の古都チェンマイに到着しました。空港では、3台の専用車とガイドが私たちを出迎えてくれました。


象乗り体験と首長族の村

午前中のプログラムは、象乗り体験と首長族の村訪問です。タイを象徴する動物、象。実際に象の背中に乗って、森の中を歩きます。象使いの巧みな操作で、象は慎重に道を進みます。高い位置から見る景色は、普段とは全く違う視点です。ゆったりとした象の歩みに身を任せながら、タイの自然の豊かさを感じることができました。象との触れ合いを通じて、タイの人々と動物の共生関係を感じる貴重な体験となりました。


首長族の村

続いて訪問したのは、首長族の村です。首長族は、伝統的に真鍮のリングを首に巻くことで知られています。観光化されている面はありますが、彼らの生活や文化を知る機会となりました。

手工芸品の製作を見学し、その丁寧な仕事ぶりに感心しました。伝統を守りながら生活する姿は、文化継承の大切さを教えてくれます。昼食は、ツアーに含まれていました。タイ北部の郷土料理を味わいながら、午前中の体験について参加者同士で語り合いました。


ナイトバザールとナイトスポット

夕食後は、チェンマイの名物、ナイトバザールを訪れました。数百メートルにわたって屋台が並ぶナイトバザール。伝統工芸品、衣類、アクセサリー、雑貨など、様々な商品が所狭しと並んでいます。観光客と地元の人々が混在し、活気に満ちています。ここで観察できたのは、タイの商業文化です。フレンドリーな接客、柔軟な価格設定。伝統的な市場の形態が、今も息づいています。ナイトスポットの観光も楽しみました。チェンマイの夜は、バンコクとは違う独特の雰囲気があります。


第二日:チェンマイの仏教文化に触れる

チェンマイ二日目の目玉は、ワット・ドイステープの訪問です。ワット・ドイステープは、チェンマイ市街から約15キロ、標高1080メートルの山頂に建つ寺院です。専用車で山道を登っていきます。カーブの多い道ですが、窓の外には美しい景色が広がります。寺院に到着すると、まず目に入るのが長い階段です。306段の階段を登ると、黄金に輝く仏塔が現れます。寺院内では、地元の人々が熱心に祈りを捧げていました。観光地であると同時に、今も生きている信仰の場です。タイは国民の大多数が仏教徒です。仏教は、タイの人々の生活と価値観に深く根ざしています。ビジネスを展開する上でも、こうした宗教文化への理解は欠かせません。山頂からは、チェンマイ市街を一望できます。晴れた日には、遠くの山々まで見渡せる絶景です。


チェンマイからバンコクへ

午後、チェンマイからバンコクに戻ります。チェンマイ空港発17時05分、タイ航空TG113便です。約1時間15分のフライトで、18時25分にバンコクに到着しました。バンコクに到着後、3台の専用車とガイドが私たちを出迎えてくれました。荷物があるため、夕食より先にホテルへ

今日は荷物があるため、まずホテルにチェックインします。チェックイン後、バンコク市内で夕食を取りました。そして、バンコクのナイトツアーに出かけました。チャオプラヤー川沿いの美しい夜景を堪能し、充実した一日を終えました。


第三日:バンコクで企業視察


最初の訪問先はExchange Towerの23階です。


東京都中小企業振興公社

東京都立産業技術研究センター


これらの組織は、日本の中小企業の海外展開を支援しています。タイに拠点を置き、現地市場調査、ビジネスマッチング、法規制に関する情報提供、現地パートナーの紹介などの支援を提供しています。担当者から、タイ市場の特徴と課題について詳しく説明を受けました。具体的な進出事例を交えながらの説明は、非常に参考になりました。中小企業にとって、こうした支援機関の存在は心強い味方です。海外進出を検討する際の最初の相談先として、活用価値が高いと感じました。


正午、ツアー会社が手配してくれたレストランで昼食を取りました。タイ料理を味わいながら、午前中の訪問について参加者同士で意見交換します。


JICA(国際協力機構)

午後1時30分、同じExchange Towerの31階にあるJICAを訪問しました。JICAは、開発途上国への国際協力を行う機関です。タイでは、インフラ整備支援、人材育成、技術移転、環境保全プロジェクトなどの活動を展開しています。


ダイキン工業 体験型ショールーム

午後3時30分、Exchange Towerからダイキンのショールームへ移動します。午後4時、フーハダイキンの体験型ショールームに到着しました。広大なショールームには、ダイキンの製品が並んでいます。しかし、これは単なる製品展示ではありません。「体験型」という名の通り、実際に製品を体験できる空間になっています。各製品の動作を実際に確認できるブース、温度や湿度を体感できるコーナー、エネルギー効率の比較ができる展示など、工夫が凝らされています。


夕食は、ツアー会社が手配してくれたレストランで取りました。一日の視察を振り返りながら、充実した時間を過ごしました。


第四日:バンコクで企業視察


最終日の午前10時、Transtron (Thailand) Co., Ltd.を訪問しました。Transtronは、自動車部品の試験装置を製造する日系企業です。


設立:2008年8月29日

資本金:130百万バーツ

株主構成:株式会社トランストロン 90%、Isuzu MOTORS ASIA LIMITED 5%、長野日本無線株式会社 5%

事業内容:自動車用試験装置の開発/製造/販売


精密な測定装置が並ぶ工場内では、日本人エンジニアとタイ人スタッフが協力して作業していました。技術的な説明を受けながら、製造工程を見学します。特に興味深かったのは、現地人材の育成と技術移転の取り組みです。日本からエンジニアを派遣し、タイ人スタッフへのOJTを実施しています。段階的に権限を移譲し、定期的な技術研修も行っているそうです。


正午、視察プログラムは昼食会場で終了となりました。昼食は、Transtronの社員食堂でいただきました。タイ人スタッフと一緒に食事をすることで、よりカジュアルな交流ができました。


4日間のタイ視察を終えて、得られた学びを整理します。

チェンマイでの文化体験は、単なる観光ではありませんでした。象乗り、首長族の村、仏教寺院、ナイトバザール――これらの体験を通じて、タイの人々の価値観や生活様式を肌で感じることができました。仏教が生活に根ざしている、家族や地域社会を重視する価値観、上下関係を重視する社会構造。こうした文化的背景を理解せずに、ビジネスを展開するのは困難です。


東京都中小企業振興公社とJICAの訪問から学んだのは、公的支援機関の重要性です。現地市場の情報提供、ビジネスマッチング、規制や法律の説明、トラブル時のサポートなど、海外進出には、こうした支援機関を積極的に活用すべきです。特に中小企業にとって、単独での情報収集には限界があります。


タイ視察を通じて、「文化とビジネスは切り離せない」ことを実感しました。チェンマイでの文化体験は、タイの人々の価値観を理解する貴重な機会となりました。そして、バンコクでの企業視察では、日系企業がいかに現地文化を理解し、適応しているかを学びました。


グローバル化が進む現代、海外市場への理解は必須です。しかし、書籍やウェブだけでは限界があります。実際に現地を訪れ、文化を体験し、企業を視察する。こうした実体験こそが、本当の理解につながります。


タイは親日的で、日本企業に対する期待も高い国です。一方で、独自の文化と商習慣があります。その両面を理解した上でビジネスを展開することが、成功への道です。今回の視察が、参加者の今後のビジネス展開に役立つことを願っています。

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